京急1500系をつくる (4)
前回箱組を終えて乾燥させた後、屋根と側板の隙間や妻板と側板の継ぎ目をパテで消していきます
私が普段使用しているのはタミヤのラッカーパテです。ひけやすくてなかなかへこみを埋めることが出来ませんが削りやすいという理由で重宝しています。
同時進行で屋根の木目を消すため、サーフェイサーを塗ります。
乾燥後、400番のペーパーで荒削りしました。ほとんどの部分がまだへこんでいるので重ねるように今度はシンナーと混ぜた「溶きパテ」を盛ります。あと、妻面のおでこに丸みを持たせるために成形します。
何度か埋める→削るの工程を繰り返してここまで来ました。もうほとんどの部分はこれ以上触る必要は無いのですが…
場所によってはまだ凹んでいる箇所があるので部分的に溶きパテを盛っていきます
全部の隙間が埋まったなと思ったらスプレーのサーフェイサーを塗ります。ここでもし気づかなかったへこみがあればまたパテを塗ります。内側も忘れないように塗っておきます。
ここでいっかいボディから離れて床板を作ろうと思います。使用するのは1ミリ厚のプラ板でそれぞれの車両に現物合わせで切り出していきます。
TOMIXのTNカプラーを嵌められるようにするための穴を開けています。中間連結部のカプラーは最近発売されたimonカプラーを使用しています。人気商品なのか、最近どこの店でも見かけません…。10両分のカプラーが近々発売されると思うのでまた再生産されると思いますが。
パンタ付きの中間車は動力車に設定するので2枚重ねにします。また、MPギアのボックスを避けるための穴とキャノンモーター(LN15)が入る穴を空けておきます。
今日はここまでです。
【はじめてのペーパー工作講座】京急1500系をつくる その3
前回のつづきです。
側板の裏に補強材を接着します。使用しているのは3×3のヒノキ角材でホームセンターなどで売っています。幕板側の角材は前後いっぱいいっぱいに現物合わせの長さですが車体裾側の角材は1ミリずつ短くしています。
また、床板を1ミリのプラ板で作るため端から2ミリあけて補強材を入れています。
M車は2ミリの床板にする関係上3ミリ開けています。
妻板や前面にも角材を取り付けます。前面、妻板共に後退角がついた折妻形の車体なのであらかじめ角材を台形にカットして取り付けます。裾側の角材を少し短くしたのはこのためです。前面は特に形状を維持させるためにできるだけ多く(2本だけですが)補強を入れています。
中間2両を箱組してみました。使用した屋根板はYAMA模型の屋根板Dです。角材を各所に入れたのでかなりしっかりした造りになったと思います。
屋根の裏側にも枕木方向に角材を入れています。経年劣化による車体の歪みを抑えてくれる役割を持っています。前後のドアの戸袋付近には床板をビス留めするための角材を取り付けます。
先頭車もこんな感じで組み立てます。
次回は前頭部のおでこの成形と車体の継ぎ目消しを行っていきます。
【はじめてのペーパー制作講座】京急1500系をつくる その2
お久しぶりです。
1ヶ月ぶりの更新ですが1500の制作もある程度進んだので書けるところまで書いていこうかと思います。
前回型紙を切り出し、2枚構成の側板を貼り合わせる所まできていました。今回はその続きです。十分に乾燥させたら、側板の表面を400番のペーパーで空研ぎします。
これが研磨し終えたやつです。上の画像と見比べて罫書線の印刷が消えて無くなっていることがわかると思います。元の紙の表面にあったマットな質感を無くして繊維を毛羽立たせるぐらいまで磨くのが目安です。
今回は客扉の部分は真ん中に当てゴムを表現するための切込みを入れた都合でドアの部分はペーパーをかけていません。できればドアの部分までペーパーを掛けれたらいいのですが。
前面もこのように一番外側に張り出してる部分だけ研磨しました。簡潔に書きましたがこの工程がなかなかしんどいです。ずっと研磨していてもなかなか紙が毛羽立ってくれないし、かといって力を入れすぎると思いっきり1枚分めくれ上がってしまうので力加減に気を遣いながら終わりの見えてこない作業は骨が折れます…。
紙にヤスリをかけないで切り口のところだけサーフェイサー(サフ)を塗って細目のやすりで軽くかけるだけの簡単な方法もあるにはありますけども、はじめて自分がペーパーで作った時に教えて貰ったやり方であるのと箱組してからサフを吹いた時の仕上がりがとても綺麗になるのであえてこの方法で続けています。
苦労話で長くなりましたが次はサーフェイサー(サフ)を塗っていきます。使用するサーフェイサーはスプレーではなく瓶のものを使います。
このサフもそのまま原液で使わず、だいたい原液1に対して薄め液(シンナー)3~4 ぐらいの比率で希釈して塗ります。空き瓶などを用意して希釈用のサーフェイサーをつくるとよいでしょう。
希釈したサフを平筆で塗っていきます(塗ると言うより染み込ませるぐらいの感覚で)。
前述したヤスリをかけてないドアの部分は塗らないようにします。
前面と妻面もこのようにヤスリをかけた部分だけサフを塗ります。サフのついた筆を置いたときに広く滲んでいってくれれば適度に研磨出来ているサインでしょう。全部塗り終えたら新聞紙などに挟んでカッティングシートの下敷きにして半日ぐらい乾燥させましょう。
乾燥が終わったらまた400番のペーパーをかけて表面を整えていきます。上がペーパーをかける前と下がかけた後です。下のようにペーパーをかけたらまたサフを塗って次は600番のペーパー…といったふうにこの工程をやすりの番手を変えながら繰り返します。それと同時にサフも原液を少しずつ足して濃くしていくといいです。最終的に800番までかけます。
側板の表面処理を終えたので4両分切り出しました。
これでようやく箱組の準備が出来ました。
次回は箱組編です。
【初めてのペーパー工作講座】京急1500系をつくろう(1)
皆さんお疲れ様です。
前回京急1700系を完成させてまた次の新作に取り掛かったのですが、どうせならペーパー工作をやったことがない人ややってみたいけど作り方が分からないという方の参考に少しでもなるようにひとつひとつの工程を私流のやり方で詳しく解説していこうと思います。
今回は京急1500系の増結車(4両)を制作講座みたいなのを織り交ぜてだらだらと作っていこうかと思います。この車両は特段複雑な前面形状をしているわけでもなく側面の窓も大きな1枚ものの窓が1本だけの柱で割られてるだけなのではじめてペーパー自作する人にももってこいの形式だと思います。
まず初っ端からお断り文句でアレですがペーパー自作のやり方には何通りもの作り方があって経験を重ねてきたモデラーの方々は各々作業効率や完成度を考慮などをした上でその作り方を確立させています。型紙の切り出し手順にしても表面処理の方法も様々なやり方がありこの作り方が絶対に正しいということはほとんどありません。
なので私の作り方にもそれなりの癖があるので必ずしもこの作り方でないといけないことはありませんので、ここでの作り方もあくまで参考程度に各自工夫して自分なりの作り方を確立して頂ければいいかと思います。
まずは型紙を用意します。前作と同じくオリジナルで罫書いた型紙を使用します。鉄道模型雑誌のとれいんでも京急1500系の型紙がありましたね(私はその型紙がゲット出来なかったんで自分で型紙を作りました…)
本形式の型紙向けに書いたものですが京急の1500系に限らずほかの18メートル車両にも汎用出来ると思います。
この車両を皮切りに色々とバリ展も考えてますので…
型紙の切抜き作業に使用する工具を紹介します。まず下から紹介しますと…
定規(ステンレス製)
窓を真っ直ぐ切るのに欠かせない工具です。プラ製じゃなくて必ずステンレス製のものを用意しましょう。プラ製だと定規についてる凸凹の傷でガタガタしてキレイに切れませんので。15センチのものと30センチのものを用意しましょう。
カッター
これがなくては何も始まらない。刃の角度が45度と30度のものがあり、紙を切るぶんにはどちらでも大丈夫ですが私は細かいパーツの加工に便利なので私は30度のカッターを使っています。小さいサイズが持ちやすくていいかと思います。
彫刻刀
窓の四隅など丸くなっている部分を切るのに使用します。
ポンチ(カッターの左隣)
彫刻刀と同じ目的で使用しますが、彫刻刀のRに合わない部分に重点的に活用しています。手で押し付けるだけでは切れないのでポンチの頭の部分をハンマーで叩きます。
切った紙切れが中に詰まっていくのでそれを取り除くのにキリでほじくって使います。なので彫刻刀よりも効率がわるいので1番多い側面の窓のRは基本的に彫刻刀を使用して使い分けています。
窓の切り抜きにあたって先に窓の四隅のRなどに切込みを入れます。基本的に彫刻刀を使いますがとなりのドアの開口部の少し大きめのRはΦ2.0のポンチで開けています。
裏から見るとこんな感じです。表から見ると見えにくい彫刻刀の切り込みもちゃんと確認できますね。
次に窓をカッターで切ります。一度で切ろうとせずに2~3回に分けて切りましょう。
綺麗に切るコツは同じ位置の窓を揃えて一気に切るということですかね…
この写真で言うとまず左端の4箇所の窓の一辺を合わせてこのままカッターを走らせます
1箇所の窓をくるくる回しながら切るのではなく全体的に満遍なく切り抜いていきます。
すべての窓を切り抜きました。
こちらは前面の型紙です。前面は3枚構成でこれらを貼り重ねることで実車の奥まった前面形状を表現できます
切り抜きが終われば側板を貼り合わせます。外張りのみを切り出して裏側に木工ボンドを隅々まで塗るんですがあまりモタモタし過ぎるとボンドがカピカピになってちゃんと貼り合わせなくなりますので丁寧に、手際よくやります…
貼り合わせたのがこちらです。貼り合わせたらボンドの水分で反って変形してしまうので雑誌などを上に何枚も重ねた重しに乗せて丸一日乾燥させましょう。
妻板や前面は接着面積が側面に比べて少ないのでまだ幾分かゆとりを持って作業できます…
今回はここまでです。まだまだ説明が足りない部分があって恐縮ですが、この車両の制作記はこのような作り方を織り交ぜながらやっていこうと思います。
ペーパー工作経験者からすればつまらないかと思いますが少しでも参考になりそうなことも書いていきますのでどうぞよろしくお願いします。
京急1725編成【完成】
久しぶりの京急制作記。今回で完成です。
まずはレタリング類から
というわけで用意したのはトレジャータウンから出ているこれらのインレタ
・ドア窓「開」表示(丸形)
・指差し注意ステッカー
・ドア注意ステッカー(京急用)×3
↑京急用ドアステッカーは2つで間に合いますが次回作を見越してと予備を兼ねて多めに調達しました。合計で5000円近くしました…
さっそく貼り付けてみました。ドアステッカーはかなり目立っていて効果バツグンだと思いますが側開戸の丸ステッカーはよく目を凝らして見ないと気づいてもらえないでしょうね。完全に自己満足の世界です…
座席も作っていきます。使用したのはカツミのロングシートで8人がけは3:5の区切りでセンターポールを配置します。5人掛けは2:3で優先席のみに配置します(通常の赤い座席にはつけません)
フジモデルの吊革を取り付けます。付けた時窓越しで真横からだとチラッと見えます。優先席直上に付いてる吊革は黄色に塗装します(座席の仕切りポールも同様)
運転室の機器類も超適当ですが目立つ所を中心に作ります。
室内灯も取り付けます。コスト面を考えれば自作もありだと思いましたが自分は電装品に関してはど素人でしかも自作車両で室内灯に手をつけたのはこれが初めてなので大人しく安定(?)のモデルシーダー製室内灯を使用します。
内装をひと通り取り付けて室内灯を点灯させてみました。
吊革も見る角度によってはちゃんと見えます
これにてめでたく完成となりました。
後日詳しい写真を掲載しますのでお楽しみに。